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1991 年度 実績報告書

ヘモグロビンカプセル化人工赤血球の安全性と酸素運搬能に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 03670664
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

小林 紘一  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80051704)

研究分担者 小林 照久  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10215345)
渡辺 真純  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90201227)
加藤 良一  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00161133)
キーワード人工酸素運搬体 / 人工赤血球 / ヘモグロビンカプセル化人工赤血球
研究概要

ヒト由来のヘモグロビンをリポソ-ムの中にカプセル化したヘモグロビンカプセル化人工赤血球(Artificial Red Cell,以下 ARC)の物性、安全性や酸素運搬について検討した。
物性:本物質の物性は粒径は200nm、浸透圧は297mObm、粘度は3.06Pa・s、でP_<50>は24mmHgである。
安全性:10匹のラットに6000mg/kgのARCを静脈内投与したが全例生存した。犠牲死させて組織学的検討を行ったが肝のmacrophageとKupffer細胞に好酸性の物質を貧食されているだけで他の臓器には炎症や壊死所見を認めなかった。
酸素運搬能:室内気で全身麻酔し、調節呼吸とした体重8kg前後のビ-グル犬から30ml/kg(循環血液量の40%に相当)を脱血しショックに陥らせた後、同量のARCを静脈内投与した。心拍出量、血中のビ-グル犬のヘモグロビン量、ARCのクリット値よりの定量を行いビ-グル犬のヘモグロビンおよびARCによる酸素運搬量とビ-グル犬のヘモグロビン量およびARCからの酸素検費量を別々に求めた。ビ-グル犬のヘモグロビンおよびARCによる酸素運搬量は夫々約100ml/minと25ml/minで、ビ-グル犬のヘモグロビンとARCからの酸素消費量は夫々40ml/minと10ml/minでありARCによる酸素運搬量とARCからの酸素消費量は全体の17%と20%を占めていた。なをこのARCの血中滞留時間の20時間前後であった。実験に用いたビ-グル犬は4月以上生存している。
以上のように本人工赤血球は生体内において酸素を運搬しこの酸素が組識で利用されていることが示された。また重要臓器にも組織学にさしたる異常が認められなかった。今後は投与量を増加させた系での検討が必要と思われる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 小林 紘一: "人工赤血球ーリポソ-ムヘムを中心としてー" 外科診療. 33. 1363-1369 (1991)

  • [文献書誌] 小林 紘一: "人工赤血球の開発に関する基礎的研究" 防衛衛生. 38. 297-301 (1991)

  • [文献書誌] 小林 紘一: "全合成系人工赤血球リポソ-ム包埋ヘムの臨床応用に関する基礎的研究" 外科治療. 66. 122-123 (1992)

  • [文献書誌] K.Kobayashi,M.Watanabe et al: "LiposomeーEmbeddedーHeme(L/H)as a Totally Artificial oxygen Carrier" American Society for Artificial Internal Organs. 37. 443-444 (1991)

  • [文献書誌] K.Kobayashi,M.Watanabe et al: "Completely Artificial Red Blood SubstituteーLiposome Embedded Heme." Sekiguchi,S, 8 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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