研究課題/領域番号 |
03670675
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
鷲山 和雄 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (00183715)
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研究分担者 |
小池 哲雄 新潟大学, 医学部附属病院, 講師 (20158893)
亀山 茂樹 新潟大学, 脳研究所, 講師 (80186014)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | GFAP / Gene expression / Glioma / In situ hybridization / Northern blot / Cell line |
研究概要 |
神経膠腫樹立培養細胞株を用いたGFAP遺伝子の発現調節に関する検討:我々の樹立した2種類のヒト神経膠腫由来培養細胞株を用い、継代毎の単層培養下での免疫染色と、同時期の細胞より抽出のNorthern blot分析により比較検討した。免疫染色の結果、症例1では、長期継代に於いても100%の細胞に陽性染色が得られた。症例2では、長期継代により、陽性細胞の頻度も染色強度もいずれも徐々に低下し全て陰性化した。培養初期代の細胞クローニングにより、大部分の細胞が染色されるクローンと、薄くしか染色されないクローンが得られたが、何れも継代により陽性細胞の頻度が徐々に低下し、ついには全て陰性化した。他方、Northern blot分析では、症例1では、3.5kbの単一バンドがみられ、継代による変化は見られなかった。症例2では、培養初期代において症例1より強いバンドがみられたものの、継代により全く検出されなくなった。クローニング後のmRNAの変化も免疫染色の結果とほぼ平行していた。 ヒト神経膠腫組織切片を用いたGFAP遺伝子の発現調節に関する検討:in situ hybridizationに際して用いるプローブは、他の中間径フィラメントとの交差を避けるため、ホモロジーの低い3'non-coding regionのanti-sense 44merを使用した。小脳ではbergmann's gliaおよび顆粒層内のastrocyteにgrainの集積がみられ、分子層内のBerg-mann's glia の突起には集積は殆どみられなかった。腫瘍において、anaplastic gliomaでは全くgrainは認められなかったものの、astro-cytomaでは弥慢性にgrainの集積がみられた。これらの所見は、概ねそれぞれの症例での免疫染色によるGFAP発現結果とよく対応していた。 即ち、神経膠腫細胞の長期継代中および組織中のGFAP発現の変化はGFAP mRNAの発現の変化とほぼ対応していた。
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