研究課題/領域番号 |
03670683
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉峰 俊樹 大阪大学, 医学部, 助手 (00201046)
|
研究分担者 |
加藤 天美 大阪大学, 医学部, 助手 (00233776)
早川 徹 大阪大学, 医学部, 教授 (20135700)
|
キーワード | 脳虚血 / 微小循環 / 赤血球 / 白血球 / 血小板 / 活性酸素 |
研究概要 |
1.白血球成分の関与の検討 局所脳虚血巣を特異抗体を用いた酵素抗体法で観察すると、虚血部およびその周辺脳に多核白血球などの出現がみられる。私どもはラジカルスカベンジャ-の一種であるス-パ-オキサイドディスミュ-テ-ス(SOD)による微小循環障害改善効果を見いだしたが、SODは分子量からみて効果が血管内腔ないし血管内壁面に限局すると考えられ、その機序として白血球成分の産生するラジカルの消去作用を想定することができる。そこで白血球成分によるラジカル産生と薬剤によるその修飾効果を検討するため多核白血球を分離し、微弱発光検出装置にてラジカル関連微弱発光を測定すると多核白血球は空気下で活発にラジカルを産生することが明かとなった。またSODその他の薬物によりこれを抑制することができた。以上の結果は局所脳虚血において虚血巣付近の白血球成分が産生するラジカルが微小循環障害過程に関与することを示唆している。 2.微小循環改善剤の作用機序の検討 これまで組織性プラスミノ-ゲン活性化因子(tーPA)が局所脳虚血による微小循環障害を改善しうることを報告してきたが、これが、全身血圧や体温、動脈血ガス分圧の変化などを介するものではないことが明らかにするため、tーPA投与群および対照薬投与群においてこれらの生理学的パラメ-タ-をモニタ-しつつ、微小循環障害改善効果を検討した。その結果、両群において生理学的パラメ-タ-に有意の差を認めないにもかかわらずtーPA投与群で有意の微小循環改善効果が認められ、tーPAの効果が本来の薬理作用に基づくものであることを強く示唆した。
|