本年度内では、脳内に外来遺伝子の導入を計るのに必要な条件を見いだすべく、その基礎的検討をおこなった。即ち、pRSVL プラスミドDNAを用いて導入をこころみたが、このプラスミドDNAをリボフェクチンで処理する際、種々の試薬を添加して、この導入効率を上げるように努力した。その結果、pRSVLプラスミドDNAを20%フルクト-スに溶解して、Caのキレ-タ-であるEGTAを添加したものを、6週齢のマウスの大腿筋にマイクロシリンジを通して注入するものがもっとも導入効率がよいことが明らかと成った。 本年度内では、脳内に外来遺伝子の導入を計るのに必要な条件を見いだすべく、その基礎的検討をおこなった。即ち、pRSVLプラスミドDNAを用いて導入をこころみたが、このプラスミドDNAをリボフェクチンで処理する際、種々の試薬を添加して、この導入効率を上げるように努力した。その結果、pRSVLプラスミドDNAを20%フルクト-スに溶解して、Caのキレ-タ-であるEGTAを添加したものを、6週齢のマウスの大腿筋にマイクロシリンジを通して注入するものがもっとも導入効率がよいことが明らかと成った。 そこで、この条件を踏まえ、前もって、pRSVLプラセミドDNAにbetaーgalactosidaseを組み込み、このpRSV bーgalを筋肉に注入して、時間経過をおいて、外来遺伝子であるbetaーgalactosidaseの発現を、酵素組織化学的に染色し、さらに電顕的に、その発現の微細構造を明らかにした。さらに、pRSV bーgalを使うことのみでなく、L7RH bーgalを同様に注入したところ、これら両者では、その遺伝子発現の状態が異なることが明らかに成った。すなわち、pRSV bーgalを使用すると、光顕的に観察すると、遺伝子導入された筋肉ではブル-に染めだされ筋肉の全体にbetaーgalactosidaseの発現が認められた。この部位では電顕的にも筋原線維の間に針状結晶様の構造物が認められ、これが酵素組織学的に染色されるものの微細構造であることが明らかとなった。また、L7RH bーgalを使ったときには、筋肉内の核の部分のみに限局してその発現が認められ、使用するプラスミドにより、遺伝子の発現が異なってくるという極めて興味深い結果を得た。 現在、ガラクトシラ-ゼの抗体を利用して、免疫組織化学的に光顕的や電顕的に検索している。
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