研究課題/領域番号 |
03670691
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
寺尾 榮夫 東邦大学, 医学部, 教授 (60147519)
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研究分担者 |
金子 稜威雄 東邦大学, 医学部, 助教授 (30057509)
木暮 喬 東邦大学, 医学部, 教授 (80010198)
遠藤 剛 東邦大学, 医学部, 助手
大石 仁志 東邦大学, 医学部, 助手 (60185189)
西川 秀人 東邦大学, 医学部, 助手 (40189270)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | 脳定位放射線外科 / ライナック / 脳動静脈奇形 / 聴神経腫瘍 / 転移性脳腫瘍 |
研究概要 |
3〜30mmの細い放射線束を脳定位的手技を用いて頭蓋内の病巣に集中して照射し、破壊する治療法は脳定位放射線外科療法として、脳神経外科での最近の割期的な治療法として注目を浴びてきた。しかしこの治療法のための装置は代表的なガンマ-ナイフでは極めて高額である。本研究では普通の病院に既に設置されているライナック装置を利用して脳定位放射線外科治療を行うことのできる装置を作製しこれを用いて適応症例に臨床的に治療を行って治療効果を観察検討した。装置の原理は堅守でかつ精巧な回転イスとBRW脳定位装置、イスの回転をコンピューターで制御するコントローラーを既存のライナックと組み合せたものである この装置は1988年より永島医科器械株(東京)に依頼して試作、改良を重ねて完成した この装置によれば放射線束のトラックはガンマ-ナイフの201ではなく無限数となる利点がある。 基礎実験により本装置による線量分布が予想通り満足できる集中度を示すことを確認した。更に遠隔部の身体各部のうける被爆量を実測しこれらが極めて低値であること、CT検査時の仰臥位と回転イスに座った時の座位とで頭蓋内構造物の位置のズレが実際上は無視できる程度のものであることを確認した後臨床試験を行った。対象疾患は脳動静脈奇型聴神経腫瘍、転移性脳腫瘍が主なものであるが、本研究修了時までに80例に治療を行った。脳動静脈奇型20例 頸動脈一海線静脈洞瘻1例、海綿血管腫7例 聴神経腫瘍15例、グリオーマ3例、胚芽腫1例 リンパ腫1例 軽移性脳腫瘍32例である 臨床的効果は脳動静脈奇型、聴神経腫瘍、軽移性脳腫瘍に対して著効を呈し、ガンマ-ナイフに劣らない治療効果が得られた。装置の安価で取り扱い易いこと、線源の交換不要、放射線外科に専用とする必要のないことなど優れた装置、方法を開発実用化することができた。
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