研究概要 |
ヒト脊柱腰椎の三次元的な生体力学的不安定性を解明するため次の実験的研究と臨床的研究を行なった。 1。腸骨及び腰仙椎を含むヒト新鮮屍体全腰椎を使用し、三次元的な荷重偏位特性を解析し、全腰椎,腰仙椎,仙腸関節の生理的な三次元動態を求めた。全腰椎,腰仙椎の生理的な三次元動態解析は、国際学会及び国内の整形外科学会で発表した。仙腸関節の生理的な三次元動態についても解析した。 2。腰仙椎構成要素の損傷状態における三次元動態解析実験を行ない,各構成要素損傷時の不安定性を上記項目(1)の正常状態の結果と比較して解析した。具体的には,腰仙椎を構成する腸腰靭帯,棘上,棘間靭帯や黄色靭帯などの後方靭帯など椎間関節包、椎間板、椎間関節の損傷モデルをヒト新鮮屍体を使用して作成し、各損傷状態における三次元動態実験を行なった。これにより,各構成体損傷時の不安定性について解析した。 3。臨床的研究の基礎として,腰痛の既住のない正常人やスポ-ツマンなどの三次元腰椎動態解析を三次元脊椎動態解析装置(Computerized Anatometry Series、日本レダリ-社より貸与)により測定した。これにより,平成4年度に予定する各種疾患患者の腰椎不安定性評価のための基礎的デ-タを求めた。
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