研究課題/領域番号 |
03670694
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
佐藤 光三 秋田大学, 医学部, 教授 (50004875)
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研究分担者 |
渡部 亘 秋田大学, 医学部, 助手 (50167186)
斎藤 晴樹 秋田大学, 医学部, 助手 (00153817)
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キーワード | 実験骨粗鬆症 / ラット / 卵巣摘出術 / 糖尿病 / 副甲状腺ホルモン / 骨形態計測法 / 酒石酸耐性酸フォスファターゼ / 骨量増加 |
研究概要 |
卵巣摘出術と糖尿病負荷により骨粗鬆症ラットを作製し、ヒト副甲状腺ホルモン(h-PTH)を間欠的に投与し、その骨への影響を骨形態計測により検討した。 対象は、Wistar系雌rat7〜8カ月齢を使用した。骨粗鬆症モデルとして卵巣摘出ラット(OVX)と糖尿病ラットを用いた。糖尿病ラットはストレプトゾトシン(STZ)30mg/kgを腹腔内に1回注射して作製した。OVX、STZから8週経過時よりh-PTHを投与し、投与量は6.0μg/kgBW(low dose)、60.0μg/kgBW(high dose)と設定した。投与は9週目より週6回背部の皮下に行い、期間は4週間とした。実験終了前にテトラサイクリン(TC)を2回投与した後屠殺した。脛骨近位部の標本を作製して、骨形態計測を行った。また、酒石酸耐性酸フォスファターゼ(TRAP)染色により破骨細胞数やTRAP活性面を計測し、骨吸収に関する骨動態を観察した。 骨形態計測結果をみると、OVX群は骨形成と骨吸収がともに亢進した骨粗鬆症を示し、一方、STZ群は骨形成が著明に低下した。h-PTH投与により、両群ともに単位骨量は増加し、分画形成面、分画標識面、石灰化速度、骨形成率などの骨形成のパラメーターは著しく増加したが、骨吸収面は変化しなかった。破骨細胞数やTRAP活性面では、PTH投与群で有意な減少がみられた。以上より、h-PTHの間欠投与が、OVX群、STZ群、特に前者の骨形成を亢進させ、骨吸収を上回ったことと、石灰化速度や、骨形成率の亢進により骨量が増加したと考えられた。したがって、h-PTHの間欠投与は、高回転型の骨粗鬆症であるOVXラットに対してばかりでなく、骨形成の低下したSTZ負荷糖尿病ラットに対しても有効であることが示唆された。
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