研究課題/領域番号 |
03670713
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
三木 浩 帝京大学, 医学部, 助教授 (70082154)
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研究分担者 |
海野 和俊 帝京大学, 医学部, 教務職員
大野 藤吾 帝京大学, 医学部, 教授 (70082120)
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キーワード | Fibrous longーspacing collagen / 長周期膠原線維 / 基底板 / ラミニン / VI型コラ-ゲン |
研究概要 |
コラゲナ-ゼ処理したマウス皮膚に形成されたFibrous longーspacing collagenの形態形成と起源について電子顕微鏡観察、計測学的方法、組織化学的染色法、免疫電顕法を用いて調査した。この酵素処理によりマウス真皮に多量のFibrous longーspacing collagenの形成と基底板の破壊が観察された。Fibrous longーspacing collagenは、血管や基底層直下の基底板近傍に多く形成されていた。Fibrous longーspacing collagenは、約91nmの周期を持つ横紋状の高電子密度物質(暗帯)とこの暗帯に直交する約6.5nmの細線維からなる特殊な形状の線維性構造帯である。Fibrous longーspacing collagenの暗帯は基底板と形態的に連続しているのがしばしば観察され、さらにこの暗帯は、各種の組織化学的染色法により基底板に含まれるものと類似の多糖類を有していた。免疫電顕法でラミニンとVI型コラ-ゲンの局在を調べてみると、ラミニンの局在はFibrous longーspacing collagenの暗帯に認められ、VI型コラ-ゲンはFibrous longーspacing collagenの細線維上に陽性像を示した。 この結果は、Fibrous longーspacing collagenの細線維は、VI型コラ-ゲンを含む線維からなり、コラゲナ-ゼにより分解された基底板の成分が約91nmの周期でこの線維に沈着して形成されたことを示す。また、酵素処理したマウス皮膚で形成されたFibrous longーspacing collagenとヒト悪性神経鞘腫に出現したFibrous longーspacing collagenを計測学的に比較したが、構造的相違はなく類似の型の線維であることが分かった。
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