研究課題/領域番号 |
03670720
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
多賀 紀一郎 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (00163329)
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研究分担者 |
本多 忠幸 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (70231579)
福田 悟 新潟大学, 医学部, 助教授 (30116751)
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キーワード | 血管平滑筋 / 細胞培養 / 細胞内Caイオン濃度 / アルギニンバゾプレッシン / KCl |
研究概要 |
平成3年度は血管平滑筋細胞培養法を確立させ、細胞内Caイオン濃度([Ca^<2+>]_i)の分布及び経時的変化に対する血管収縮薬の影響を検索した. 1.クリ-ンベンチ(日立社製PCVー750AP)内にて摘出したラット胸部大動脈をコラゲナ-ゼ、エラスタ-ゼによって酵素処理し、得られた血管平滑筋細胞を培養皿内のカバ-スリップ上に置き、炭酸ガス培養器(ダバイエスペック社製BNA111)内で培養した.培養後4ー7日目に細胞が形態学的に血管平滑筋細胞であるかを倒立位相差顕微鏡(オリンパス光学社製CKー2)を用いて確認した.血管平滑筋細胞のミオシン重鎖に対する蛍光抗体を用いて蛍光顕微鏡によりその存在を確認した. 2.蛍光Ca指示薬(fura2/AM、Dojin)を血管平滑筋細胞に取り込ませた後、灌流用チャンバ-に固定し対物100倍レンズで観察した.アルギニンバゾプレッシン(AVP)(10^<ー7>M)、KCl(100mM)を投与し[Ca^<2+>]_iの分布及び経時的変化について既存の顕微鏡画像処理システム(ARGUSー200/CA)を用いて解析した.[Ca^<2+>]_iは500nmにおける340nm及び380nmの励起波長に対する蛍光強度比(R_<340/380>)で表した.核(N)及び細胞質(C)におけるR_<340/380>のコントロ-ル値(B)及び最大値(Pを各々NB、NP、CB、CPと表した.AVP群では、NB0.86【plus-minus】0.04、NP3.50【plus-minus】0.37、CB0.94【plus-minus】0.07、CP2.88【plus-minus】0.37、KCl群では、NB0.84【plus-minus】0.04、NP1.01【plus-minus】0.04、CB0.99【plus-minus】0.05、CP1.21【plus-minus】0.06であった(平均値【plus-minus】標準誤差).画像解析により血管平滑筋の[Ca^<2+>〕_iは静止時でも不均一な分布を示したが、ことにAVP投与によりこの不均一分布が著明となった.AVP投与により核の[Ca^<2+>]_iの上昇も観察された.現在、核の[Ca^<2+>]_i上昇の機序について検索中である.
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