研究課題/領域番号 |
03670735
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
窪田 達也 自治医科大学, 医学部, 教授 (90048992)
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研究分担者 |
村田 克介 自治医科大学, 医学部, 講師 (60135267)
吉澤 睦 自治医科大学, 医学部, 講師 (20135263)
大竹 一栄 自治医科大学, 医学部, 助教授 (00092156)
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キーワード | エンドトキシン(ET)ショック / ケミカルメディエ-タ / 投与量 / ショックモデル |
研究概要 |
我々の作製した少量(2μg/kg)のエンドトキシン(ET)投与によるETショックモデルをイヌで作り、各種のケミカルメディエ-タや補体系あるいは凝固線溶系の変動を観察した。これらの観察結果片らも、ETショックモデルの作製には2μg/kgという少量のETで充分であることを再確認できた。 ET2μg/kgの静脈内投与により、白血球数・血小板数あるいは心拍出量がET投与後30分で既に減少し、これに呼応するように、TXB_2・6ketoPGF_1αおよびLTB_4が有意に上昇、CH_<50>とATIIIとは有意に低下した。しかし、ET投与後30分の時点では、TNFαや高分子キニノ-ゲンはまだ有意の変化を示さなかった。アラキドン酸系代謝物質や、マクロファ-ジ・好中球由来と考えられているTNFαは(6ketoPGF_1αを除いて)60〜120分後にピ-クに達し、以後速やかに前値に戻っている。これと対照的に、CH_<50>・ATIIIおよび高分子キニノ-ゲンは時間の経過と共に単調減少し、ET投与300分後には三者共にET投与前の約半分となった。以上の結果から、ETの体内侵入によりマクロファ-ジ・好中球が活性化されてアラキドン酸系やTNFαが一過性に変動し、その結果補体系や凝固線溶系が活性化されて、DICやMOFに至る臨床経過を説明できると思われる。 次に、比較的多量(1mg/kg)のETを静注し、上記各種パラメ-タの変動を追跡してみたが、TXB_2のピ-ク値以外は、時間経過やピ-ク値の大きさに2μg/kgと有意差が無く、ET2μg/kg投与の妥当性を再確認できた。
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