研究概要 |
研究計画に従つて今年度は次の項目について研究した。 [研究方法] 従来通り、全身麻酔下のネコの坐骨神経と腓腹筋に電極を装着し、最大上刺激下に得られる神経と筋の複合活動電位(compound action poteintial,CAP)の振幅と、刺激のモードを変えることにより得られる筋CAPの回復曲線(recovery curve,RC)、および2Hz四連反応比(train-of-four ratio,TOFR)の減少度、さらに各種頻度での連続刺激に対する反応から、神経筋接合部の遮断状態を判定した。 [結果] 1.ネコにパンクロニウムを投与して、CAP振幅からみて90%遮断を生じせしめ、この時のRC,TOFRを測定し、これらが以前に報告した結果と同様であることを確かめた後、70%遮断まで回復させた。ここでMgイオンを累積投与して再度90%遮断を起こした時の各パラメーターを測定した。その結果はRCが20msec以下の短い刺激間隔で軽度に上昇したのみで、パンクロニウムの遮断の特徴はそのまま保たれていた。 2.連続刺激に対して各CAP振幅はコントロールの状態では軽度に増強を示すのみであった。alpha-Bungarotoxin(alphaBuTX)による遮断時には、高頻度刺激で最初の数CAPは増強、その後では軽度に減衰を示した。この機序について更に今後検討をしていきたいと考える。
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