近年臨床使用の始まったセボフルレンの心拍数に対する影響については、抑制、亢進、不変のそれぞれの報告があり、洞房結節に対する直接作用は未だ明らかにされていない。そこで本研究では、セボフルレンの心拍数に対する作用を解明することを目的として、自己リズムのモルモット洞房結節活動電位を微小電極法にて測定し、セボフルレンの洞房結節に対する影響をハロセンと比較・検討した。洞房結節の活動電位は、以下のパラメータについて算出した。洞房結節心拍数(SR)、活動電位第0相速度(SP-O)、活動電位第4相速度(SP-4)、再分極50%での活動電位持続(APD50)、活動電位振幅(AAP)、活動電位オーバーシュート(OS)、最大拡張期電位(MDP)、脱分極閾値電位(TP)。コントロール値を測定後1、2、3、4%セボフルレンおよび1、2%ハロセンを15分間投与し、活動電位の変化を測定し、各パラメータの変化について検討した。SRはセボフルレン、ハロセンともにすべての濃度においてコントロール値と比較して減少し、SP-OおよびSP-4は、1%セボフルレンを除くセボフルレンとすべての濃度のハロセンで有意に減少した。APD50は、セボフルレンおよびハロセンですべての濃度にて延長した。AAPは、4%セボフルレンおよび2%ハロセンで有意に低下し、OSは、3、4%セボフルレンおよび2%ハロセンにおいて低下した。TPおよびMPPは、セボフルレンおよびハロセンともに変化はなかった。 今回の実験において、セボフルレンは、臨床使用濃度においてハロセンと同様に洞房結節のイオンチャンルに影響し、活動電位第4相および活動電位持続時間を抑制することにより、洞房結節心拍数を減少させる事が示唆された。
|