• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1993 年度 実績報告書

前立腺癌の増殖因子に関する研究:ボンベシンとその抗体が前立腺癌細胞に及ぼす効果

研究課題

研究課題/領域番号 03670743
研究機関秋田大学

研究代表者

原田 忠  秋田大学, 医学部, 講師 (00108953)

研究分担者 宮形 滋  秋田大学, 医学部, 助手 (00157596)
西沢 理  秋田大学, 医学部, 講師 (60091815)
キーワード前立腺癌 / 増殖因子 / bombesin / GRP / 自己分泌増殖因子
研究概要

Bombesin(BMBS)とその抗体がヒト前立腺癌培養細胞の増殖に与える影響について、in vitro及びin vivoの方法を用いて検討した。使用した細胞は、臨床的に内分泌療法に抵抗性を示した再燃性前立腺癌の脳転移巣、骨転移巣より樹立されたDU-145、及びPC-3細胞である。また、対照細胞として、ヒト膀胱移行上皮癌由来細胞株T-24、EJ-1、ヒト子宮頚癌由来細胞株HeLaS3を使用した。これらの細胞株を単層培養し、BMBS及び抗BMBS抗体を添加した実験結果から、DU-145、PC-3細胞のみにBMBSによる濃度依存性の増殖促進効果と、抗BMBS抗体による抑制効果を認めたことを既に報告した。
今回はin vivoの検討として、DU-145細胞をヌードマウス皮下に1x10^7個移植し、1週間後よりPBS、正常ウサギ血清、あるいは抗BMBS抗体を腹腔内投与した結果、抗BMBS抗体投与群で明かな腫瘍増殖抑制効果が確認された。また、PAP法を利用したBMBS免疫染色の検討では、DU-145細胞の細胞質中が細顆粒状あるいは塊状に染色され、PC-3細胞では染色細胞数はやや少ないものの、DU-145とほぼ同様の染色反応であった。しかし、他の対照群の細胞ではBMBS免疫染色はすべて陰性であった。
以上、これまでの研究結果から、少なくとも内分泌療法抵抗性の前立腺癌細胞においては、BMBSが細胞増殖を促進させ、同時に前立腺癌細胞自体がBMBS様ペプチドを産生分泌していることが示唆された。すなわち、BMBS様ペプチドは、前立腺癌細胞の自己分泌増殖因子、actocrine growth factorのひとつとして作用しているものと考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 下田次郎: "ヒト前立腺癌培養細胞に対するbombesinおよび抗bombesin抗体の影響" 医学のあゆみ. 158. 759-760 (1991)

  • [文献書誌] Shimoda,J.: "Effect of bombesin and its antibody on human prostatic carcinoma cell lines(DU-145,PC-3)" Journal of Urology. 145. 400-400 (1991)

  • [文献書誌] 下田次郎: "Bombesinと抗Bombesin抗体がヒト前立腺癌培養細胞の増殖に及ぼす影響に関する研究" 日本泌尿器科学会雑誌. 83. 1459-1468 (1992)

  • [文献書誌] Shimoda,J: "Growth suppressing effect of antibody versus bombesin(Ab-BMBS)for human prostatic carcinoma cell lines" J.Jpn.Soc.Cancer Ther.27. 474-474 (1992)

  • [文献書誌] 下田次郎: "泌尿器科領域における組織培養" 組織培養. 19. 107-111 (1993)

URL: 

公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi