研究課題/領域番号 |
03670756
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
竹内 正文 愛媛大学, 医学部, 教授 (70028471)
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研究分担者 |
鍋嶋 晋次 愛媛大学, 医学部, 助手 (30218044)
織田 英昭 愛媛大学, 医学部, 助手 (20194558)
横山 雅好 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (50116993)
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キーワード | 腎移植 / 末梢血単核球 / インターロイキン2 / 拒絶反応 / キラー活性 |
研究概要 |
腎移植患者の免疫能を監視するために従来より mixed lymphocyte culture reaction(MLR)やcell nediated lympholysis(CML)が行なわれてきたが、いまだに拒絶反応の診断に苦慮する症例も多い。interleukn‐2(IL‐2)が拒絶反応において重要な役割を演じていることから、IL‐2に対する腎移植患者末梢血単核球(PBMN)の反応性およびIL‐2により活性化されたPBMNのCytotoxicityの測定を行なえば、拒絶反応の診断に有用と考え以下の実験を行なった。 健常人9例、透析患者1例、拒絶反応症例11例、拒絶反応の認められない安定期の症例24例を対象とし末梢血単核球のIL‐2に対する反応性を測定した。腎移植患者ではIL‐2に対する反応性は安定期では有意に低下していたが拒絶反応時では透析患者や健常人と同程度の反応を示した。また、同様の操作にて得られた末梢血単核球(PBMN)を用いて、リンパ球の表面マーカー(CD8、CD4、CD57、CD11、CD16、CD25)の陽性率をtwo-color flow cytometerを用いて求めた。その結果、腎移植患者のIL‐2刺激単核球の表面マーカーには有意な変化は見られなかった。さらに、同じ細胞を用いて、N非感受性のK562、NK非感受性 Daudi細胞細胞を標的細胞にして細胞障害活性を測定したが、細胞障害活性は拒絶反応時には上昇していた。拒絶反応時に、IL‐2R陽性細胞の比率の増加が認められるとの報告があるが、拒絶反応時に、PBMNおよびIL‐2活性化細胞のいずれにおいてもIL‐2R陽性細胞の比率の有意の増加は認められず、IL‐2R陽性細胞数の測定のみでは拒絶反応の診断は困難であると思われ、IL‐2に対する反応性の測定が拒絶反応の診断に有用と考えられた。
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