研究課題/領域番号 |
03670777
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
倉内 修 名古屋大学, 医学部, 講師 (80195528)
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研究分担者 |
水谷 栄彦 名古屋大学, 医学部, 助教授 (00159162)
田中 雅嗣 名古屋大学, 医学部, 助教授 (60155166)
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キーワード | 胎盤 / 予定日超過 / IUGR / ミトコンドリア遺伝子 / 変異蓄積 / チトクロームオキシダーゼ / DNAコピー / プロモーター |
研究概要 |
胎盤老化に伴う胎盤機能不全の病因をミトコンドリアDNA遺伝子との関係において研究した。予定日超過、子宮内胎児発育遅延及び妊娠中毒症を含めた異常妊娠胎盤20例につきミトコンドリアDNAを抽出しPCR法によりミトコンドリアDNAを増幅してレーチッヒの欠失と呼ばれる5kbの欠失を検討したが、このような大きな遺伝子変異は発見されなかった。これは、胎盤のような増殖が盛んな臓器では大きな変異の蓄積が行われにくいものと考えられた。コントロールとして用いた人卵巣ミトコンドリアDNAでは、閉経期を過ぎるとこの欠失が認められ、しかも年齢が進むにつれてこの欠失の割合が増加することが示された。今後、胎盤においては、より小さな欠失に的を絞って検索するとともに今回購入したスラブゲル乾燥器を使用してDirect sequence法により点変異の発見を行う予定である。 また上記の胎盤より同時に抽出したm-RNAによりNothern blot hybridization法によりミトコンドリアDNA遺伝子にコードされるたんぱくであるチトクロームオキシダーゼサブユニットIの発現を調べたところ予定日超過、子宮内胎児発育遅延及び妊娠中毒症を含めた異常妊娠胎盤において正常胎盤に比しその発現が低下しているという新知見が得られた。この原因を検索するため、細胞一個あたりのミトコンドリアDNAのコピー数をSouthern blot hybridization法により調べたところ、正常胎盤と異常妊娠胎盤の間には有意なミトコンドリアDNAのコピー数の差は認めなかった。従ってミトコンドリア遺伝子の発現低下の原因として、異常妊娠胎盤ではミトコンドリア遺伝子プロモーターになんらかの異常があるものと考えられた。
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