研究概要 |
hCGβとLHβ遺伝子の塩基配列は転写間始点より上流的700bpに至るまで非常に類似している。この部位にhCGβの転写制御配列が存在すること また両方の遺伝子上流部分でfootprint as ssayに際して絨毛細胞核内転写調節因子によりプロテクトされる部位のパタ-ンが非常に流似していることが判明した。さらにこのfootprint assayにおいてhCGβ遺伝子においてはプロテクトされないが、LHβ遺伝子においてはプロテクトされる遺伝子部位が発見された。そこでこの部位の塩基配列に相関な配列を持つ2本鎖のoligonucleotideを作成し、これを〔 ^<32>p〕にてラベルし、絨毛細胞ならびにその他の組織由来の核抽出物を用いてgel shift assayを行ったところ、この因子は下垂体以外の組織と発現を認めたが、下垂体には発現しておらず下垂体以外の組織でのLHβ遺伝子の発現を抑制している可能性が強く示唆された。さらに妊娠週数の異なる絨毛組織より得られた核抽出物を用いてhCG遺伝子上流部分のfootprint assayを行ない,絨毛細胞の分化の時期とhCG遺伝子上流部分に結合する転写調節因子の結合パタ-について検討したところ、footprint assayにおいては大きな差異を認めなかった。これは恐らくは、多数の因子が遺伝子の同一部位に結合することによって一部の因子が変化してもfootprintのパタ-ンはマスクされて目にみえる変化はおこさないのではないかと考えられる。
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