研究課題/領域番号 |
03670787
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
工藤 尚文 岡山大学, 医学部, 教授 (90127556)
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研究分担者 |
多田 克彦 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (90252973)
岸本 廉夫 岡山大学, 医学部附属病院, 講師 (30186217)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | 子宮内発育遅延胎児 / カテコラミン / 胎児ストレス / 胎児慢性低酸症 / 胎児恒常性 / 胎児副腎髄質 / 胎児予備能 |
研究概要 |
実験的子宮内発育遅延(IUGR)ラット胎仔において以下の知見を得た。 1.羊水中カテコラミンはIUGRでは正常発育例に比較し有意な高値を示した。特にエピネフリンの著名な増加が特徴的であった。 2.IUGR胎仔では副腎エピネフリン含量が正常発育胎仔に比べ有意に減少していたが、副腎PNMT活性には差は認められなかった。 3.IUGR胎仔では急性ストレス負荷時のエピネフリン分泌能は正常発育胎仔に比較し低下していた。 また、臨床検討より以下の結果を得た。 1.IUGR例における陣痛発来前の羊水中および胎児血中カテコラミン、特にエピネフリンは正常発育例に比べ有意な高値であり、その値は正常例の経腟分娩終了時の値を凌駕していた。 2.IUGRの高カテコラミン状態は、胎児心拍解析(ノンストレステスト)が正常(リアクティブ)を示した症例においても認められた。 以上より、IUGR胎児は慢性ストレスに対し、自己のホメオスターシスを保つべくカテコラミンを発動し、羊水中カテコラミン値は胎児内部環境の悪化を鋭敏に反映することが示された。また、IUGRにおける副腎エピネフリンの減少はIUGR児のストレス防御機能の減弱を意味するものと理解され、適応不全の一因となっていると考えられる。
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