研究概要 |
目的:視床下部性第二度無月経の重症度、予後を知る目的で日中および夜間のLH分泌パターンによる分類を検討した。 研究方法:33名の視床下部性第二度無月経症例を対象として、日中覚醒時および夜間睡眠時に10分毎に4時間彩血した。 結果:LH分泌パターンから4型に分類しえた。即ち、日中、夜間共にパルスのないもの(Group1)、夜間にのみ2〜3パルスのみられるもの(Group2)、夜間には数回パルスがみられるも、日中には1回しかパルスの無いもの(Group3)、日中、夜間とも数回パルスのあるもの(Group4)である。血清estradiol値はいずれも30pg/ml以下であり、血清prolactinは4group間で差異は認められなかったが、LHの基礎値とLHパルスの振幅はGroup1からGroup4へと増加した。夜間血清melatonin値はGroup1で著しく高値であり、夜間のLHパルス頻度と負の相関を示した。これらの成績は視床下部性無月経が思春期前期へも後退であることを示している。6か月後の卵巣機能の改善率はGroup1 0%,Group2 25%,Group3 80%,Group4 67%であった。LHパルスの反復検査症例でも今回の重症度分類の改善に伴い卵巣機能は回復を示した。 結論:今回の分類は視床下部性第二度無月経の重症度を良く反映しており、予後を予知するに有用なものである。
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