| 研究概要 |
イヌを実験動物として下記の研究結果を得た。
1)喉頭反射に関与する知覚神経系伝達物質の半定量的同定
イヌを経心的に潅流固定した後、喉頭の各部位(喉頭蓋喉頭面、喉頭蓋咽、並びに仮声帯、喉頭室、声帯膜様部、声帯軟骨部、声門下部)における粘膜、並びに内喉頭筋の腱を摘出した。これらの試料を、Substance P,CGRP,Enkephaline,GABAに対する抗体を用いた免疫組織化学法に供した結果、それぞれの部位にて特徴ある分布状態を示すことが判明した。この結果の一部は現在European Archives of Otorhinolaryngologyに投稿中である。
2)喉頭反射に関与する知覚神経伝達物質の終末における存在様式の解明
現在、上記1)で解明した喉頭反射に主に関与すると考えられる知覚神経系伝達物質であるCGRPに関して、ビブラト-ム切片による電子顕微鏡学的免疫組織化学法を用いて、その終末の微細構造を解明中である。
3)喉頭反射に関与する知覚神経系伝達物質の節状神経節内における局在の解明
神経トレ-サ-としてコレラトキシンを用い、上喉頭神経及び反回神経に含まれる知覚神経線維の節状神経節内における母細胞を同定した。この結果も現在、Annals of Otology,Rhinology & Laryngologyに投稿中であり、小生が受賞することになった本年度米国喉頭科学会賞受賞対象の一部である。これらの細胞が二重染色の結果、Substance P,CGRP,VIP,Enkephaline,等の神経系伝達物質が存在することが明らかとなった。これらの結果は現在投稿準備中である。
上記のように本研究の一部が本年度米国喉頭科学会賞受賞対象の一部となり、すでに2編の論文が外国雑誌に投稿中と十分な成果があげられたと考える。
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