研究概要 |
原因病はメラノサイドに対する自己免疫疾患であり、細胞性免疫がその主体をなすと考えられている。本研究では最初に各種melanocyte,牛ぶどう膜粗抽出液をmitogenとして、原田病患者から採取した抹消血リンパ球、及び脳脊髄液中のリンパ球を用い、 ^3Hthymidineの取り込みによるLymphocyte prolife ration assayを行った。melanocyteはGー361、WN115、Bowes、WN9、HMV1の粗抽出液可溶性成分を用いた。いづれの抗原に対しても、抹消血リンパ球、脳脊髄液ともに有意の反応を示すものはなかった。次に、これら抗原を分子量別に分画し、それぞれの分画を濃縮後、同様の方法にてassayした。この方法では分子量約7万の分画にproliferationを示す蛋白質の存在が示された。更にこの蛋白を単一の蛋白として精製分離するため二次元電気泳動を行った。等電点電気泳動ではPH約6.8の部分に増殖を示す部分があり、この部分を分子量別に二次元に展開した。展開したそれぞれのペプタイドは分子量約7万を示すものを採取し、lymphocyte proliferation assayを行った。これにより患者リンパ球が増殖を示すペプタイドが同定された。なお、コントロ-ル(negative)としては正常ヒト抹消血リンパ球を用いた。このペプタイドは現在アミノ酸分析中である。アミノ酸分析の結果に従い、これに対応するoli gonucleotideを合成し、すでに作製済みのcDNA libraryからこのペプタイドのcDNAをクロ-ニングする予定である。
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