硝子体内新生血管組織(増殖性糖尿病性網膜症の8例からあつめられたもの)を免疫組織学的方法を用いて調べた。8例ともにタイプIIコラーゲンに免疫反応陽性を示した。硝子体内新生血管組織はタイプIIコラーゲンの分布により2つのグループ(A・B)に分類された。グループAでは、血管は完全に硝子体コラーゲンにより包囲されていたが、グループBでは、血管は硝子体コラーゲンのかたまりの一方に増殖していた。タイプIとタイプIIは、組織の細胞間空隙にびまん性に分布していたがタイプIVとファイブロネクチンは新たに形成された血管にための基底膜様基礎構造を形作っていた。GFAP免疫反応陽性細胞は全くどの例でも検出されなかった。新生血管組織は典型的に後部硝子体表面に増殖したが、また、硝子体ゲルに貫入していた。新生血管組織の増殖が進行するにつれ、タイプIとIV、IVコラーゲン、及びファイブロネクチンが生産された。GFAP陽性細胞は新生血管組織形成のために必須ではなかった。
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