1、suicide plasmid pKDCMZにより作製したporphyromonas(Bacteroides)gingivalis sod変異株の解析 pKDCMZのSmal部位にP.gingivalis sod遺伝子の3'部分(0.8kbp;sod遺伝子内のBgl11部位にフレームシフト変異を入れている)を挿入したプラスミドpKD265を用いて作製したP.gingivalis sod変異株が酵素に対して非常に感受性であることがわかった。この酵素感受性がsod変異に依存していることを遺伝学的に証明し、嫌気性細菌におけるSOD酵素の存在意義をはじめて直接的に明らかにした。 2、Tn4351トランスポゾンによるrandom mutagenesisによって分離された黒色色素非産生性変異株の解析 前年度に分離した黒色色素非産生性変異株のTn4351の挿入を受けた遺伝子をクローニングした。塩期配列を部分的に決定したところ、Bacillus stearothermophilus degT、Saccharopolyspora erythraea eryC1、Streptomyces peucetius dnrJ遺伝子とかなりの相同性を示した。これらの遺伝子産物は膜タンパク質であり、シグナル伝達のセンサータンパク質としての機能を有していることから、黒色色素産生性機構の解明の手がかりとなると思われる。 gene-directed mutagenesisとtransposon mutagenesis(random mutagenesis)ともP.gingivalisに適応することができ、これらを用いて得られた変異株の解析も上記のように進行している。本年度は本研究の最終年度であるが当初の研究計画をほぼ達成できたと思われる。
|