研究概要 |
1 唾液腺腺癌細胞(HSG)の無血清培養下で増殖可能なサブクロ-ン、HSGーS8が骨形成因子(BMP)ー2、ー3、およぴー4を合成していることを、ノ-ザンブロット解ヲを行い明らかにした。 2 HSGーS8細胞はin vitroおよびin vivo(ヌ-ドマウス移植系)で、細胞質にBMP蛋白を有していることを単層培養標本およびヌ-ドマウス移植標本の免疫組織化学染色で明らかにした。 3 HSGーS8細胞のconditioned mediumを集めて凍結乾燥後、TSKーヘパリンー5PWカラムを用いて高速液体クロマトグラフィ-を行い。この部分精製品をウェスタンブロット法で解析すると、HSGーS8はBMPー2、ー3をconditioned medium中に分泌していることが明らかになった。 4 ウェスタンブロット解析によって、HSGーS8細胞から分泌されているのは分子量が約20,000のBMP蛋白と判明した。分子量が約20,000のバンドはBMPー2とー3とに免疫染色され、両者を分子量でわけることができなかった。この点に付いてはさらに検討中である。 5.Genetics Instituteから譲与されたBMPー2とBMPー3を抗原として兎に接種し抗体を作成中である。 6 唾液腺由来の上皮性の良性腫瘍である多形性腺腫を予備実験的にBMPの抗体で免疫染色したところ、多形性腺腫の腫瘍細胞はBMPー2とー3が陽性であった。
|