研究概要 |
【.encircled1.】HSG-S8においてBMP-2mRNAのシグナルはレチノイン酸処理(1muM,6-24時間incubation)で顕著に増強することが既に判明していたが、さらに今年度はcell lysateとコンデッションド培地中のBMP-2タンパク質をウェスタンブロットで検索した。培養上清には10mlあたり酢酸を1ml加え、Varian社のC8カラムで脱塩、濃縮乾燥後、サンプルバッファーを加えSDS-PAGEを行った。細胞にはサンプルバッファーを加えSDS-PAGEを行った。次に抗BMP-2抗体で免疫染色を行った。その結果、cell lysateとコンデッションド培地中の両方でBMP-2はレチノイン酸処理(1muM,48時間)によって約5倍に増加し、レチノイン酸はBMP-2の遺伝子発現をmRNAとタンパク質レベルで上昇させることが、明らかになった。 活性型ビタミンD_3の作用についてはHSG-S8細胞の増殖を軽度に抑制するが(対照の79%)、BMP-2mRNA発現に対する効果はなお検討中である。インスリンはHSG-S8細胞の増殖を促進するとともにBMP-2mRNAの発現も増強した。 【.encircled2.】口腔諸組織とくに歯胚を含む顎骨と唾液腺のBMPの免疫組織化学的検討では昨年度作製した抗BMP-2およびBMP-3抗体とGenetics Instituteから供与された抗BMP-2抗体のいずれも陽性所見を示さなかった。自家製の抗体は抗体価が弱いため、あるいは供与された抗体は減弱したためと考えられた。
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