研究課題/領域番号 |
03670878
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
川瀬 俊夫 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (30084784)
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研究分担者 |
中野 完 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (80164250)
西山 勝弘 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (20084783)
高垣 裕子 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (60050689)
斎藤 滋 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (80084713)
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キーワード | ヒト歯根膜線維芽細胞 / 機械的外力 / 細胞接着・伸展因子 |
研究概要 |
歯周組織は常に間欠的に咬合あるいは咀嚼の機械的外力を受けている。歯周組織の中でも歯根膜を介して機械的外力が伝達されるものと考えられ、本研究においてヒト歯根膜由来線維芽細胞の(HPLF)の培養系を用いて機械的外力としてストレッチングを負荷し、HPLFの増殖と分化および細胞接着・伸展因子(CA Fs)の分泌とその調節因子について検索した。 すなわち、ヒト歯根膜をexplantし、migrateしたHPLFを継代培養し、コラーゲン処理のFlexible-bottomed culture plateに播種し、confluentに達するまで培養し、FCS-Free MCDB-107培地と交換した。機械的外力はFexercells train unitを 用いてplateの底部の伸張度により定量的に6%、18%、24%のストレッチングを24時間負荷した。細胞の増殖と分化は各々DNA量と ALPase活性測定により検索した。またCASF活性は久保・川瀬(神奈川歯学1992)の方法に従い行った。さらに、CASFsの調節因子の検討のために、FCS-freeばかりでなくアスコルビン酸不含(ASA-free)MCDB-107を基礎培地として、ASA、IL-1β、TGF-β、IGF-Iを添加して培養し、その培養上清(HPLF-CM)について、CASF活性を測定した。 その結果、ストレッチングによりHPLFの増殖にも殆んど影響は認められなかったが、ALPase活性はストレッチングの強度に依存した明らかに上昇していた。その程度は24%の強度でコントロールの約1.7倍であった。さらに、CASF活性は、6%の強度では変化はないが、18%でコントロールの約2.3倍、24%でコントロールの約1.8倍となり、18%のストレッチング強度が最大効果を示した。 一方、このCASF活性物質分泌を調節因子として、ASAとTGF-βが明らかにCASF活性を上昇させ、中でもTGF-βの調節能はASAよりも高いことが認められた。
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