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1991 年度 実績報告書

歯周病原性細菌の主要免疫抗原の性状に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 03670889
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

渡辺 久  東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (40143606)

研究分担者 中島 啓介  東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (80227785)
堀部 元雄  東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (10219230)
梅田 誠  東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90193937)
キーワードPorphyromonas gingivalis / 歯周病原性細菌 / 主要免疫抗原 / ELISA法 / Immunoblot法 / 全菌体抗原 / 超音波破砕抽出抗原 / 外膜蛋白抗原
研究概要

Porphyromonas gingivalisは急速進行性歯周炎や成人性歯周炎との関連性が注目されている.本菌には,種々の表層抗原の存在が知られており,その主要免疫抗原の分子量に関する研究はいくつか報告がみられる.しかしながら,その性状に関する報告は少ない.今回,P.gingivalisの主要免疫抗原の性状について検索したので報告する.
P.gingivalis 381株から全菌体抗原,超音波破砕抽出物抗原,外膜蛋白抗原の3つの抗原標品を得た。本菌に対して,高い血清抗体価を有する14人の歯周炎患者の血清を用意した。各抗原標品について,熱処理(boiling,45min)を加えたもの(熱処理抗原)と加えないもの(未処理抗原)の両方を作製した。各抗原に対し,患者血清を反応させ,それぞれ熱処理抗原と未処理抗原に対する抗体反応をELISA法とImmunoblot法で比較検討した。また,各抗原標品のLPS量,carbohydrate量,蛋白量を測定した。
その結果,超音波破砕抽出物抗原に対する抗体反応は熱処理により,14例中11例において,77ー93%の反応の低下がみられた。一方,全菌体抗原では熱処理による反応の低下が僅かしか認められないものが4例あり,そのうち3例は外膜蛋白抗原に対しても同様の反応を示した。全菌体抗原は超音破砕抽出物抗原の約10倍のLPSを,外膜蛋白抗原は超音波破砕抽出物抗原の約2倍のcarbohydrateを含有していた。蛋白量に関しては,3つの抗原標品とも同程度の含量であった。
以上より,P.gingivalisの主要免疫抗原は蛋白が主体であるが,その抗原性には,LPSやCarbohydrateのような非蛋白成分も関与している可能性が示唆された。今後,生体側の反応性の違いについても検索し,P.gingivalisの抗原性が,どの部分が主要であるのか,さらに研究を押し進める必要がある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 渡辺 久: "若年性歯周炎の免疫診断法に関する研究" 日本歯科医学会雑誌. 11. 30-34 (1992)

  • [文献書誌] 渡辺 久,飯田 雅博,張 〓〓,関 智子,石川 烈: "低フォスファタ-ゼ症に伴う若年期の高度の歯周疾患の1症例について" 口腔病学会雑誌. 58. 613-623 (1991)

  • [文献書誌] 鴨井 久一編集.石川 烈,萩原 さつき,渡辺 久,和泉 雄一,野口 和行,中島 啓介: "縁下プラ-クの抑制法" クインテッセンス出版, 229 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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