本研究は、新型の歯面処理材、接着材、接着性プライマーおよびボンディング材を用いてコンポジットレジンを充填した際の辺縁封鎖性ならびに窩壁適合性をin vitroおよびin vivoにおいて色素侵入試験によって評価し、より良き修復法を確立することを主眼として行われた。 窩洞形成されたヒト抜去小臼歯を市販の3種の接着性コンポジットレジン、すなわちPhoto Anter ior / Liner Bond System、PhotoClearfil / Photo Bond およびClearfil Fill/New Bondにて修復し、それらの辺縁封鎖性および窩壁適合性について検討した。その際、Photo Anter ior / Liner Bond Systemは最も少ない辺縁微少漏洩を評価する際に有効であった。 次いで、サルの歯牙を同じ3種のコンポジットレンジにて修復し、修復後7日および180日経過後、歯牙を取り出して辺縁封鎖状態および窩壁適合状態を調べた。その結果、Clearfil Photo to Anter ior / Liner BondSystemは短期、長期ともに他の材料に比べ良好な辺縁封鎖性および窩壁適合状態を示した。 以上より、in vivo、in vitroのどちらにおいても、ClearfilPhoto Anterior/Liner Bond Systemは他の材料に比ベ優れた辺縁封鎖性および窩壁適合性を示し、Clearfil Photo Anterior/Liner Bond Systemを構成する新型の歯面処理材、接着性プライマーが、修復物の辺縁封鎖性および窩壁適合性の向上に大きく寄与していることが明らかになった。
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