研究課題/領域番号 |
03670896
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
赤峰 昭文 九州大学, 歯学部, 助教授 (00117053)
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研究分担者 |
木村 龍誠 九州大学, 歯学部, 助手 (20205008)
相田 宜利 九州大学, 歯学部, 講師 (10127954)
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キーワード | 破骨細胞 / モノクローナル抗体 / オステオポンチン |
研究概要 |
破骨細胞が分泌するタンパク質は骨改造の過程において重要な役割を果たすと考えられる。そこで我々は破骨細胞の膜表面抗原を認識するモノクローナル抗体を作成し、これを指標として骨改造のメカニズムを明らかにする目的で研究を行った。方法としては、4〜6週齢SDラットの頸骨および大腿骨より採取した骨髄細胞をROS細胞の培養上清および活性型ビタミンD_3を含むalphaMEM中にて培養し、形成させた破骨細胞様多核細胞(MNC)を抗原として体外免疫法によるモノクローナル抗体の作製を行い、MNCに反応する抗体HOK1を得た。培養皿上においてHOK1はMNCおよびMNCの移動したと推定される跡に強く反応し、単離した破骨細胞を未固定のまま染色したところ、膜表面全体に反応が認められた。頸骨のパラフィン切片においては他の細胞に比し、破骨細胞により強い染色性が認められ、特に破骨細胞が骨に面した部位での反応が強かった。形成したMNCをヒトの歯牙薄片上に播種し吸収窩形成後、HOK1で染色を行うとほとんどの吸収窩に染色性が認められた。本抗体による特異性について、ラットのオステオポンチン(OP)との反応性をWestern Blotting法にて検討したところ本抗体がOPを認識する抗体であることが明らかになった。以上のことより、作製したモノクローナル抗体HOK1が、MNCや破骨細胞などに反応し、これがOPを認識することが明らかになった。また、MNCが形成した吸収窩やその移動した軌跡にOPを塗布していくことが強く示唆された。更に、単離した破骨細胞の膜表面全体に反応が認められたことから、破骨細胞には、自ら分泌したもしくは他の細胞によって分泌されたOPを膜表面に保持する可能性があることが示唆された。
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