本実験の目的はコンポジットレジン修復にユニバーサルに使用できるマトリックスシステムの開発とそれを用いた新修復術式の確立を目的としている。実験によって以下の結果が得られた:1.新規開発された可視光線重合型マトリックスシステムは化学重合型と可視光線重合型コンポジットレジン修復にユニバーサルに使用できることが示唆された。2.可視光線重合型コンポジットレジン修復の場合はマトリックス厚径1.0mmで光照射時間40秒間の条件でマトリックスを使用することが推奨される。3.マトリックス厚径と可視光線の照射時間に注意しなければならない。コンポジットレジン修復物の硬化特性はマトリックスの厚径に伴って、照射時間の短縮に伴って低くなる傾向がある。4.コンポジットレジン修復物の形態についての比較研究の結果から、マトリックスシステムの効果は咬合面1級窩洞の修復物において優れていることが確認された。歯の解剖学的微細形態はマトリックス使用によって良好に回復される。5.マトリックス調製法は口腔内直接調製法(直接法)と模型上間接調製法(間接法)の2種類がある。6.直接法は患歯が1〜2本、間接法は患歯が3本以上のコンポジットレジン修復に適する。7.患歯に硬組織欠損が無い場合は、マトリックスは修復される歯表面でただちに調製できるが、欠損が有る場合はマトリックス調製に先立ってインレーワックスで欠損部を補修するべきである。8.マトリックス材は単独でも使用できるが、Transparent Cervical Matrix【〇!R】やストリップクラウンフォームと併用することもできる。9.マトリックスの有効性が以下の臨床例で確かめられた:【「!5】の歯頚部侵蝕症、【」!6】の小窩裂溝部1級齲蝕、【」!54】の隣接面2級齲蝕、そして【」!7】のメタルインレー2次齲蝕など。10.マトリックスシステムはK-Matrix System【〇!R】として製品化され、市販された。
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