研究課題/領域番号 |
03670912
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡崎 正之 大阪大学, 歯学部, 講師 (30107073)
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研究分担者 |
山賀 保 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (30127310)
荘村 泰治 大阪大学, 歯学部, 助手 (10154692)
寺岡 文雄 大阪大学, 歯学部, 助手 (00099805)
高橋 純造 大阪大学, 歯学部, 助教授 (80029149)
木村 博 大阪大学, 歯学部, 教授 (70036218)
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キーワード | 人工歯根膜 / コラーゲン / 生体接着 / UV照射 / 不溶化 |
研究概要 |
我々は、天然歯根膜が有する結合性と外力に対する吸収緩和作用の両者を具備した人工歯根膜の開発をめざして研究を進めて来たが、最近になって化学的、機械的接着が巧みに組み合された生体機能の深遠さを改めて痛感するに至った。 本年度は、天然歯根膜の形態に類似した人工膜の作成の第一歩として素材に着目した。歯根膜が主としてコラーゲンから成ることから、酵素処理により抗原抗体反応をなくしたアテロコラーゲンを用い、まず平膜を作成し、その膜特性を偏光顕微鏡(去年度備品)を用いて検討した。また、UV照射により不溶化を試みたところ、膜の機械的強度はUV照射時間とともに増大し、4時間以上のUV照射で十分な不溶化効果が得られること、また生理食塩水中で6ケ月以上その引張強度を維持することが明らかとなった。膜厚の増大とともに引張強度も当然大きくなり、この膜厚も自在に調整することが可能となった。一方、骨の結晶性と組成に類似した炭酸アパタイトの合成も行い、人工歯根セメント質や人工槽骨を想定したアパタイト・コラーゲン複合体を作成した。この複合体をラット腹部筋膜下および頭蓋骨に埋入したところ、生体親和性も良好で、きわだった炎症反応や拒否反応も認められないことを確かめている。ただ、このアパタイト・コラーゲン複合体への人工歯根膜の接着性については、十分検討できなかったので、来年度は接着最適条件について重点的に検討して行きたいと考えている。なお、膜の形態については、いまだ生体に類似した複雑な線維構造を有する膜の作成まで至っておらず、この点、来年度工夫をこらして行きたい。
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