研究課題/領域番号 |
03670930
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
伴 清治 愛知学院大学, 歯学部・歯科理工学教室, 講師 (10159105)
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研究分担者 |
丸野 重雄 名古屋工業大学, 電気情報工学科, 教授 (60024204)
鶴田 昌三 愛知学院大学, 歯学部・歯科理工学教室, 助手 (40183488)
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キーワード | ハイドロキシアパタイト / ガラス / チタン / 複合材料 / 歯科インプラント |
研究概要 |
本年度は表面処理の基本技術に関する研究に重点をおいた。まず、本複合体の生体活性表面を得るには不可欠であるエッチィング条件の検討を行った。また、表面処理に用いるためのリン酸八カルシウム(Ca_8H_2(PO_4)_6・5H_2O、以下OCPと略す)の合成に関する実験を行なった。 1。エッチィングは最表層のガラスを除去し、ハイドロキシアパタイト(Ca_<10>(PO_4)_6・(OH)_2、以下HAPと略す)を露出させるために行う。エッチィング液はHFとHNO_3よりなり、その混合比および濃度を変えた9種類の混合酸を作製した。各液に適当な時間浸漬した後の表面のX線回折およびSEM観察により、表面状態をチェックした。さらに、電気化学的測定もあわせて行った。HF濃度が高いとHAとの反応によりCaF_2が生じた。その結果、HF3%+HNO_35%の液で3分間のエッチィングが最適であるという結論を得た。 2。表面処理に用いるためのOCPは試薬としては販売されておらず、しかもその調製方法として標準的なものはなかった。このため、OCPの調製方法をまず確立する必要があった。原料としては炭酸カルシウム(CaCO_3)と第二リン酸カルシウム・二水塩(CaHPO_4・2H_2O、以下DCPD略す)を用い、これらを水中で反応させてOCPを容易に大量に合成することに成功した。原料モル比(CaCO_3/DCPD)を0.25ー0.67、反応温度30ー80℃、反応時間5分ー120時間に合成条件を変化させた。その結果、OCPはDCPDの結晶板上に成長し、時間経過とともにHAに転化した。反応時間24時間では、原料モル比0.33ー0.40、反応温度40ー60℃で、純度の高いOCPが合成できた。
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