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1991 年度 実績報告書

口腔癌に対するマ-カ-エンザイムとしてのジペプチジルペプチダ-ゼの意義ー特に腫瘍組織内酵素発現と血清中酵素活性についてー

研究課題

研究課題/領域番号 03670944
研究機関大阪大学

研究代表者

浦出 雅裕  大阪大学, 歯学部, 助教授 (70104883)

キーワードシリアンハムスタ- / ジメチルベンツアントラセン / 頬嚢発癌 / 血清ジペプチジルペプチダ-ゼ活性 / 担癌マ-カ-
研究概要

ペプチドのN末端よりジペプチドを水解遊離するジペプチジルペプチダ-ゼ(DPP)は、基質特異性によりI〜IVに分類されるが、それらのうちDPPIVおよびDPPIIが口腔癌のマ-カ-エンザイムとなりうるか否かを検索した。平成3年度における本研究では,化学発癌剤によるハムスタ-頬嚢発癌モデルを用いて、発癌過程における血清中の両酵素活性変化を検討し,以下の成果を得た。
1)化学発癌剤ドメチルベンツアントラセンによるシリアンハムスタ-頬嚢発癌系を確立した。すなわち,同薬剤の0.5%アセトン溶液を頬嚢粘膜に週3回反復塗布することにより,8〜10週目に乳頭腫,12〜13週目に上皮内癌あるいは初期浸潤癌,16週までには高分化型扁平上皮癌が形成されることを病理組織学的に確認した。
2)人工基質であるGlyーProーMCAとLysーALaーMCAを用いて,血清中のDPPIVおよびDPPII活性を蛍光測定した結果,ハムスタ-の血清DPPIVレベルは、乳頭腫形成期より徐々に減少し,上皮内癌や初期浸潤癌形成期には有意に減少した。扁平上皮癌形成期には正常値の1/2以下となった。それとは対称的に,DPPII活性は,発癌の和鴨段階で上昇傾向を示し,扁平上皮癌形成期には有意に上昇した。
3)血清DPPIVレベルは,腫瘍切除により上昇し,腫瘍の再発,転移から腫瘍死に向って再び低下した。DPPIIレベルは,DPPIVとは相反的に変化する傾向を示した。
以上の結果より,血清中DPPIVとII活性は,担癌マ-カ-として有望であり,特にDPPIV活性は,発癌の初期段階から変化することが示唆された。(成果の1部は,第50回日本癌学会総会,1991年9月,東京;第36回日本口腔外科学会総会,1991年10月,大阪において発表した。)

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] M.URADE et al.: "Serum dipeptidyl peptidase(DPP)IV activity in hamster buccal pouch carcinogenesis with 9,10ーdimethylー1,2ーbenzanthracene" J.Oral Path Med. 21. (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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