研究課題/領域番号 |
03670946
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
和田 卓郎 広島大学, 歯学部, 教授 (10028756)
|
研究分担者 |
末井 良和 広島大学, 歯学部, 助手 (10206378)
小寺 吉衛 広島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (10124794)
谷本 啓二 広島大学, 歯学部, 助教授 (10116626)
|
キーワード | X線映画 / 嚥下障害 / 高齢者 |
研究概要 |
備品として筋電計オクル-ゾマスタ-を購入し、本装置からの筋電位を当科保有のオシロスコ-プを通してX線映画撮影装置に転送できるよう改良を加え、現在X線映画フィルム上にこの筋電計からの情報を写し込むことが可能となり、撮影条件も決定された。咬合力計MPM3000は受容器がやや大きく、自然な嚥下を妨げる可能性が生じたことと、金額的に購入が困難となったことから、部品のみを購入して製作を試みたが、新しく購入した圧変容器の大きさもやや大きく自然な嚥下を妨げることがわかった。また、義歯使用時と義歯不使用時の咬合圧を測定した場合、圧受容器に接する部位が義歯のレジンと患者の歯肉となり、受容器にかかる圧が変化し比較が困難なことと、同じ歯肉でも患者によって歯肉の硬さに差があり、患者間の咬合圧の比較も困難なことが明らかとなった。このため現在は、当初の計画を少し変更して、咬合圧測定を省略して、筋電図とX線映画のみで研究を行うこととし、デ-タの収集を行っている。もちろん、有効な咬合圧測定の方法の検索は次年度も続行する。平成3年度対象となる頭頸部に病変の既往のない65歳以上の健常者については、これまで該当する年齢をもつ高齢者患者が少なくデ-タ収集が遅れている。また、嚥下困難を訴える患者は口腔癌等で手術を受けた患者が多く、義歯の使用ができない場合も多く見られることから、義歯の使用、不使用にこだわらず、患者のデ-タ集養を行うこととした。特に手術後の患者で当院で手術を行っている場合には、当該科(口腔外科)と密な連絡をとり、手術による侵襲についてもできうるかぎり明らかとなるようにした。すなわち、嚥下に伴う上下歯牙の接触、非接触の相違による嚥下機能の変化をこれら術後患者からデ-タを得、まずこの結果を帰納的に高齢者嚥下機能障害の実態のヒントとする。
|