研究課題/領域番号 |
03670949
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研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
久保田 英朗 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (50170030)
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研究分担者 |
片野 光男 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (10145203)
黒河 博之 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (70225283)
中川 泰年 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (20217681)
後藤 昌昭 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (10145211)
香月 武 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (70038868)
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キーワード | 臨床免疫学 / 養子免疫療法 / 脾臓細胞 / キラ-細胞 / 抗腫瘍性サイトカイン / 口腔癌 |
研究概要 |
われわれは、すでにOKー432で刺激したヒト末梢血単核球(PBMC)が、培養早期(48時間以内)にキラ-活性を獲得し、同時に抗腫瘍性サイトカイン(TGIF)を産生することを見出している(BIOTHERAPY.4巻9号:1990;Biotherapy・vol.3:1991) 平成3年度の研究でわれわれは、同種(Allogeneic)リンパ球を養子免疫療法(Adoptive immunotherapy:AIT)の細胞供給源として利用する目的で、まず凍結保存しておいた脾細胞(SC)がどの程度の期間正常な機能を保ったまま保存することが可能かを検討し、約1年間保存しておいたSCからも有効な抗腫瘍活性が誘導できることを見出した(BIOTHERAPY.4巻12号:1990)。また、OKー432でリンパ球を刺激するとILー1、ILー2、IFNαの他にIFNγ、TNF、TGIF等の多種のサイトカインが産生されること、さらに、このサイトカイン産生のパタ-ンは、リンパ球の由来する臓器により異なる(例えば、末梢血由来リンパ球ではTGIFが優位に、逆にSCではIFNγが優位に産生される)傾向であることが分かった(BIOTHERAPY.5巻5号:1991)。凍結保存脾リンパ球からもOKー432刺激でキラ-活性が誘導できることも最近見出し(BIOTHERAPY.6巻5号:1992)、PBMCと同様に、OKー432刺激SCからキラ-活性ならびに抗腫瘍性サイトカインの両者の抗腫瘍効果を発揮する細胞が得られることを確認した。また、OKー432投与により内因性に産生されたIFNγはTGIFと共にin vitroで相乗的抗腫瘍効果を発揮することを見出した(BIOTHERAPY.5巻9号:1991)。 以上の結果は、凍結保存脾細胞を使った本法が、キラ-活性と同時に他種類の抗腫瘍性サイトカインを誘導させるAITとして有効であることを示唆している。
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