研究課題/領域番号 |
03670949
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研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
久保田 英朗 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (50170030)
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研究分担者 |
片野 光男 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (10145203)
黒河 博之 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (70225283)
中川 泰年 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (20217681)
後藤 昌昭 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (10145211)
香月 武 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (70038868)
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キーワード | 同種異型脾細胞 / キラー細胞 / 抗腫瘍性サイトカイン / 養子免疫療法 / 頭頚部癌 |
研究概要 |
今年度は、OK-432刺激で末梢血単核球中に誘導されるNK活性についての検討を行い、OK-432刺激でCD56^+,IL-2レセプター強陽性のNK細胞が長期間培養中に維持されること、しかもIL-2添加によりこれら長期間培養されたNK細胞の細胞傷害活性が著しく増強されること、このIL-2刺激によるNK活性の増強はNK細胞のDNA合成なしに起こること等を見だした。これらの結果は、OK-432とIL-2との組み合わせにより、より強力な細胞傷害活性を持つNK(CD56^+/CD3^-)細胞を誘導出来る事を示しており、新しいAITの手法を開発する糸口になるものと思われる。 一方、凍結保存された同種異型(Allogeneic)脾臓細胞からもOK-432刺激でNK細胞を含む細胞性ならびに液性(サイトカイン)の抗腫瘍活性がin vitroで効率良く誘導されることを見だした。さらに、実際にこれらの細胞を癌局所に移入する局所養子免疫療法を2名の頭頚部癌患者に施行したところ、腫瘍マーカーの著明な低下と腫瘍の縮小を認めた。また、いずれの症例にも同種異型細胞投与によるGVHD症状の出現は認めず、移入したdonor脾臓細胞の宿主組織内での増殖もみとめなかった。以上の結果より、Allogeneic脾臓細胞をもちいた局所投与法によるAITの有効性と安全性が示された。
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