研究課題/領域番号 |
03670955
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
久慈 昭慶 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (50225140)
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研究分担者 |
佐藤 雅仁 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (60215845)
城 茂治 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (20154411)
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キーワード | 細胞質内カルシウム / 筋収縮 / 気管支平滑筋 / カフェイン / ヒスタミン / 酸素 / fura-2 / 肺動脈平滑筋 |
研究概要 |
肺には換気・血流比を適正に保つための機構が存在し、気管支平滑筋と血管平滑筋が直接関与している。我々はブタ気管支平滑筋と肺動脈平滑筋リングを作成し、これに蛍光カルシウム指示薬Fura-2/AMを負荷し等尺性張力と細胞内カルシウム濃度変化を同時に測定した。なお実験の初めに70mM/LのKClにて平滑筋を刺激し、そのときの発生張力と蛍光強度比を収縮時の基準値とした。 1.気管支平滑筋に対するヒスタミンの効果について 気管支痙攣発生に深く関わっているヒスタミンとその特効薬であるザンチン誘導体カフェインの気管支平滑筋収縮機構に及ぼす影響を検索した。その結果、ヒスタミンによる収縮の際、細胞内カルシウム濃度は、一過性の大きな増加と、その後の持続的な増加を示した。カフェイン投与の後ヒスタミン刺激を行うと、張力および細胞内カルシウム濃度増加を抑制した。カルシウムを除いた溶液中では、ヒスタミンにより張力は減少した。また、細胞内カルシウム濃度上昇は一過性であった。従ってヒスタミンによる気管支平滑筋収縮においては細胞内外からのカルシウムがともに関与していた。 2.肺動脈平滑筋に対する酸素および二酸化炭素の影響について 全身麻酔中の患者の外呼吸を適正に保つ機構検索のため、肺血流、ひいては血管平滑筋の酸素および二酸化炭素に対する動態を検索した。高濃度酸素は高濃度カリウム刺激により発生する張力および細胞内カルシウム濃度増加を同時に増強した。また、高濃度二酸化炭素は高濃度カリウム刺激により発生する張力および細胞内カルシウム濃度増加を同時に抑制した。従って、高濃度酸素および二酸化炭素の張力に対する効果は細胞内カルシウム濃度変化を介していることが示唆された。
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