研究課題/領域番号 |
03670961
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
泉 廣次 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (00050005)
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研究分担者 |
小倉 直美 日本大学, 松戸歯学部, 副手 (10152448)
湊 耕一 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (10174088)
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キーワード | インターロイキン-6 / ヒト歯肉線維芽細胞 / ヒト歯根膜細胞 / LPS / Campyrobacter rectus / Porphyromonas endodontals |
研究概要 |
根尖病巣や歯周疾患による歯糟骨の吸収には種々の細菌やその代謝産物、また宿主の炎症や免疫応答が深く関与していることが明らかとなってきた。本研究では、歯周疾患関連細菌のlipopolysaccharide(LPS)をヒト歯肉線維芽細胞(Gin)ヒト歯根膜細胞(PDL)に作用させ、IL‐6release及びIL‐6遺伝子発現を検索した。<方法>日本大学松戸歯学部口腔外科に来院した患者より採取した健康歯肉及び健全第1小臼歯より採取した歯根膜からGin cells及びPDL cellsをSomermanの方法に従ってout growthさせ、継代培養を行った。Gin cells及びPDL cellsを24well plateに蒔き、confluence stageになったらGin cellsにCapyro‐bacter rectus(C.r.)LPSを、PDL cellsにPorphyromonas endodonta‐lis(P.e.)LPSを作用させた。Gin及びPDL cells培養液中のIL‐6量はIL‐6 ERISA assay kitを用いて測定した。IL‐6遺伝子を保持するプラスミドpKMIL‐6の宿主細胞E.coli HB101株への組換えプラスミドの形質転換はManiatisらのCaC1_2法により行った。pKMIL‐6はBamHI,Clalで切断し、600bp IL‐6cDNA fragmentをHPLC TSK DEAE NPRカラムで分離した。得られたIL‐6cDNAはNickはNick translation法にて^<32>Pラベルした。この^<32>PラベルしたIL‐6 cDNAをprobeとしてGin及びPDL cellsのIL‐6遺伝子発現をNorthern bloy DNA hybridization法にて測定した。 <結果及び考察>Gin cellsのIL‐6 releaseは作用させたC.r.LPSの作用時間、作用濃度に応じて上昇し、これはGin cellsのIL‐6遺伝子発現は上昇によるものであった。PDL cellsのIL‐6 releasseは作用させたP.e.LPSの作用時間及び作用濃度に応じて上昇し、これはPDL cellsのIL‐6遺伝子発現の上昇によるものであった。以上の結果より、C.r.及びP.e.のLPSはGin及びPDL cellsのIL‐6 release及び遺伝子発現を上昇させることにより、歯周組織の破壊に関与していることが示唆された。
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