研究概要 |
デンタル撮影において必要な空間周波数領域を検討し,Computed Radiographyの口内撮影への適用の可能性を検討した。 1. 診断に必要な空間周波数の検討 歯科用ファント-ムを高感度イメ-ジングプレ-ト(IP)を用いて撮影し,20pix/mmの密度で収録した後FFT処理で各種cutーoff周波数の高周波数領域除去画像を作成した。そして,デンタル画像での10項目の診断関心領域に対してどの空間周波数まで除去しても診断可能かを視覚評価した。その結果,全ての診断領域に対して3cy/mmの情報があれば診断可能であった。 2. 強調周波数の効果の検討 歯科用ファント-ムをIPを用いて撮影し,20pix/mmの密度で収録した後ボケマスク処理で0.5〜4.0cy/mmの各空間周波数の強調度が最大となるような空間周波数処理画像を作成した。そして,conventional(EK ultraーspeed)画像を“3"とし,5段階の視覚評価を行った。その結果,1〜2cy/mm以上の空間周波数の強調した画像ではconventional画像同等以上の評価を得た。 3. IPの種類と読み取り密度の効果 鮮鋭度の異なる4種のIPを用いて撮影,20,10,6.7pix/mmの密度で収録し,これらの組み合わせに対してconventional画像を“3"とし,5段階の視覚評価を行った。その結果,これらの範囲で読み取り密度を変えても評価結果に大きな差はなかった。また,IPとしてはHR程度の鮮鋭度バランスのものがconventionalと同等かそれ以上の評価を得た。
|