研究概要 |
1.対象地区の協力者との打ち合わせー標津郡中標津町に赴き,教育委員会や学校歯科医等に調査の目的・方法を説明し,具体的協力関係を築いた。 2.調査票作成とその印刷ー検診項目とその検出基準を検討後決定し,調査票・質問票を作成した。検診項目は,顎関節症状として顎関節雑音,顎運動痛,開口制限など8項目,咬合因子として,ルマンの咬合発育段階など4項目,顎関節に関する質問事項として顎関節雑音など5項目とした。以上はヘルキモの検診項目およびその基準を参考にしたが,学校歯科健診に実現可能なように改変(簡略化)したものである。但し,これらの検診項目とその基準,妥当性を検討する必要があり,北海道大学歯学部附属病院に顎関節症で来院した患者をの対象として,検査者間誤差や専門医との一致度に関する調査を開始した。 3.検診測定器具の試作ー顎偏位に関する測定器具を試作,使用した。 4.検診および質問票による調査の実施 5.デ-タの解析ー小中学生において,たとえば顎関節雑音の検出率は1%程であるが,年令とともに増加し,中学生で約4%であった。質問票における顎関節雑音の発現率は20%程に達っしていた。大学生では,これが35%程となり,約40%の大学生に顎関節症主要3症状(顎関節雑音,顎運動痛,開口制限)の経験が認められた。他の症状に関してもほぼ同様な傾向にあり,顎関節症状はすでに小学生の頃よりみられるが,中学生から大学生になるまでに加速度的に増加していると思われる。 なお,デ-タの詳細な検討は来年度の調査結果を得てから行う予定である。
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