研究課題/領域番号 |
03670985
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
福田 理 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (60090148)
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研究分担者 |
柳瀬 博 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (10211616)
鈴木 善子 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (70201580)
田中 泰司 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (90231414)
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キーワード | 経鼻投与 / 鎮静法 / ミダゾラム / 歯科治療 |
研究概要 |
本年度は以下の調査を行った。 1)尿中カテコ-ルアミンによる鎮静効果判定の予備実験として成人の経時的変化および健常児、精神発達遅滞児、自閉症児の歯科治療時のカテコ-ルアミン変動を治療時の行動との関連性から分析検討した。 2)激しい不適応行動の為、笑気吸入鎮静法下では歯科治療が極めて困難であった心身障害児21名を対象にミダゾラム0.2mgまたは0.3mg/kgを経鼻投与後、30%笑気を併用し歯科治療を実施し、その行動観察から臨床効果を調査した。さらに、これらの患者の術前、術後の尿を採取しカテコ-ルアミンの測定を行った。また、全身的、局所的不快事項の観察も行った。 その結果の概要を以下に示す。 1)尿中カテコ-ルアミンは健常児、精神発達遅滞児の歯科治療時の鎮静効果を評価する指標として有効である。しかし、自閉症においては他の2群に比ベド-パミンの分泌が常時極端に少なく、本態的にカテコ-ルアミン代謝異常が示唆する結果が得られ、カテコ-ルアミンは鎮静効果を評価する指標として応用できないと考えられた。 2)ー(1)経鼻投与鎮静法下では全ての患者に笑気をスム-ズに吸入させることが可能であり、充分な鎮静度が得られた。また、歯科治療時に激しい不適応行動を示した患児は3名に減少し、行動評価による臨床的な鎮静効果は精神発達遅滞児、自閉症児共に認められた。さらに尿中カテコ-ルアミンの分析からも精神発達遅滞児では明らかな鎮静効果が確認された。 2)ー(2)術中、術後を通して臨床的に問題となる不快事項の発現は認められず、その安全性も確認された。
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