研究課題/領域番号 |
03670985
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
福田 理 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (60090148)
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研究分担者 |
柳瀬 博 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (10211616)
田中 泰司 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (90231414)
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キーワード | 経鼻投与 / 鎮静法 / ミダゾラム / 歯科治療 |
研究概要 |
本年度は以下の調査を行った。 1)成人有志15名を対象にミダゾラム0.2mg/kgまたは0.3mg/kgを経鼻投与し、経時的に鎮静度の推移、循環系、呼吸系の変化を観察した。このうち、0.2mg/kg群3名、0.3mg/kg3名については血中ミダゾラム濃度推移についても測定した。 2)激しい不適応行動の為、笑気吸入鎮静法下では歯科治療が極めて困難であった心身障害児40名を対象にミダゾラム0.2mgまたは0.3mg/kgを経鼻投与後、30%笑気を併用し歯科治療を実施し、その行動観察から臨床効果を調査した。さらに、これらの患者の術前、術後の尿を採取しカテコールアミンの測定を行った。また、全身的、局所的不快事項の観察も行った。 その結果の概要を以下に示す。 1)ミダゾラムの血中濃度は両群とも投与20分後に最高濃度に達し、0.2mg群で平均157.0ng/ml、0.3mg群で平均257.7ng/mlとなっていた。鎮静効果は投与5分〜10分後に発現し、25分後にはほぼ最高の鎮静度に達し、その効果は投与60分後まで持続し、投与180分後には全例投与以前の状態に回復した。観察の全過程を通じて鎮静の深さに両群間で統計的な差は認められなかった。 両群とも、経過観察中重篤な副作用は認められなかった。 2)臨床応用例では鎮静の効果は投与5分〜10分後に発現し、両群とも全ての患者が笑気の吸入をスムーズに行った。 両群とも臨床的な有効性は70%以上で両群間に統計的有意差は認められなかった。0.3mg/kg群では、舌根沈下による気道閉寒のため下顎挙上を必要とする患者がみられた。
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