研究分担者 |
杉浦 直樹 藤田保健衛生大学, 医学部, 研究員
中村 美保 藤田保健衛生大学, 医学部, 医員
根来 道恵 藤田保健衛生大学, 医学部, 医員
木造 博貴 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (20257629)
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研究概要 |
本研究により結果は次の通りである。 1.ライフサイクルを通じて臨床的混合唾液流出量の検索法について検討を行った。すなわち各種唾液流出量測定法のうち,採唾管による方法,フッ素濃度を指標とする方法,重量法を比較検討した。結果,幼児から行い得るのは重量法であり,個体の年令に全く関係なく測定が可能であった。 2.同一個体に対し,フッ素濃度を指標とする方法と重量法とを実施し,両者の間に相関を認めた。 3.唾液の比重については,健全な男女の混合唾液を採取して測定した結果,ほぼ一定の比重で,重量法の妥当性を確認した。 4.採唾管による方法は,本法が被験者に与える苦痛のために一般的方法ではないが,研究を理解して協力された被験者に行った。これは現在なお継続中である。しかし,フッ素法,重量法ともに相関を認めた。 5.食生活と混合唾液分泌量との関連については,食品摂取に対する嗜好,食品摂取に随伴する問題に分け,48項目について混合唾液分泌量測定と同時に調査を行った。この結果,嗜好に関する課題よりも,食品摂取時に随伴する問題,すなわち,液体による栄養摂助に対する問題が堤起された。これに従い,更に調査方法を検討し,報告する。 6.口腔内の小児成人病と考えられる口腔乾燥症,右痛症,または反復性耳下腺腫脹(非呉症性)の患児では,明らかに混合唾液分泌量の低下を示し,発達期の機能低下であることが示唆された。 臨床における唾液腺疾患は,感染症,腫瘍または唾石症などがあるが今後分泌量低下による疾患の診断を如何に行うべきか考慮しなければならない。
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