研究概要 |
1.山梔子,東前子,竜胆,センブリなどの代表的和漢薬中に含まれるイリドイドやセコイリドイド配糖体を加水分解し,相当するモノテルペンアルカロイドに変換する腸内細菌として,Peptostrepto-coccus anaerobius,Klebsiella pneumonia,Fusobacterium nucleatumなどを固定した。 2.上記反応は,アンモニウムイオン存在下,β-glucosidaseによるイリドイドやセコイリドイド配糖体の加水分解時にも好収率で生成することを明かにした。 3.Geniposideのアグリコンであるgenipinとアンモニア,アンモニウムイオンとの反応を種々検討したが、モノテルペンアルカロイドであるgenipinineの生成はわずかであった。このことは腸内細菌の作用により生成する各種のアルカロイドの薬理試験を行なうため,別途合成による充分な量を確保することが難しく、今後更に良い方法を開発する必要がある。この窒素原子の導入は加水分解との協奏的反応である可能性を示唆するものであった。 4.腸内細菌によるイリドイドやセコイリドイド配糖体の代謝反応をLC/MSで追跡すると,モノテルペンアルカロイド以外に、これら重合したと思われる化合物のマススペクトルを示すピークが多数存在することがわかった。今後、これら化合物の構造を明らかにしたい。
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