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1992 年度 実績報告書

タンニンが共存物質と形成する複合体の構造と機能の研究

研究課題

研究課題/領域番号 03671001
研究機関岡山大学

研究代表者

奥田 拓男  岡山大学, 薬学部, 教授 (90025677)

研究分担者 波多野 力  岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (50127578)
キーワードタンニン / 複合体 / ゲラニイン / ゲンノショウコ
研究概要

日本の代表的な薬用植物の一つであるゲンノウショウコの主成分のゲラニインは,黄色結晶で水にほとんど不溶である.しかしゲンノショウコを熱湯で抽出するとゲラニインは容易に溶けだしてくる.そこでこの植物エキスを濃縮してみても,ゲラニインの結晶を析出させることは容易でない.このように結晶状態では溶けないゲラニインが高濃度にエキス中に存在する理由として,共存成分との復合体形成による易溶化が考えられる.すなわちゲンノショウコが示す著しい薬効がこのような復合体によるものであることも考え得る.
本年度の研究においては,1)結晶ゲラニイン,2)高濃度ゲラニイン溶存エキス(ゲンノショウコ),3)ゲラニイン濃縮前のエキス,の3種類の試料について,A)消化器障害(下痢,便秘)をおこさせたマウスに対する作用,B)高濃度ゲラニイン溶存エキス中にゲラニインと共存する他成分の分析,C)結晶ゲラニインと無機Na,K塩類との共存によって前者を溶解させる条件,の検討を行った.
その結果,A)の実験では2)の試料は1)の試料と比べてより強い効果を示し,3)の試料よりもさらに強かった.このことから,ゲンノショウコの効能は主に可溶化したゲラニインによるものであり,結晶ゲラニインはその水難溶性のために効果が劣ると判断できる結果を得た.またB)の実験で2)の試料には無機イオンとして主にNa,K、Ca,Mg等が存在すること,しかしC)の実験で単に金属イオンの存在によって結晶ゲラニインを2)の試料のように高濃度化させることは不可能であることが明らかになった.すなわち主有効成分である可溶化ゲラニインの形成には無機イオン以外の要素が必要であり,これらについてさらに検討を進めている.

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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