• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1992 年度 実績報告書

植物タンパクの医薬品への応用開発

研究課題

研究課題/領域番号 03671007
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

荻原 幸夫  名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (70080166)

研究分担者 井上 誠  名古屋市立大学, 薬学部, 講師 (50191888)
竹田 忠紘  名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (90106253)
キーワードキカラスウリ / カラスリン / 堕胎薬 / アミノ酸配列 / 抗腫瘍活性 / タンパク質多型 / 土壌細菌 / 毛状根培養
研究概要

中国に於いては、古来より引産薬として天花粉が使用されてきた。天花粉はチョウセンカラスウリの根を粉末化したもので、今日では、この天花粉より得られる塩基性タンパク質Trichosanthinを妊娠中期の治療的堕胎薬として活用している。日本産キカラスウリの根より単離したKarasurin Aは分子量27144(27215)、等電点10.1を示す塩基性タンパク質でTrichosanthinとは明らかに異なる新規タンパク質であり、その全一次構造は既に決定した。両者の全アミノ酸配列には85%の相同性が見られる。本研究では先ず、Karasurin Aとその構造が酷似するタンパク質Karasurin Bの構造について検討を加えた。BrCN、希蟻酸、BNPS-Skatole及びLysylendopeptidaseを用いて分解を行い、得られたペプチド断片をHPLCにて分取し、それらをプロテインシークエンサーにて分析した。その結果、現在迄にKarasurin Bのアミノ酸配列を97%決定することができ、229番目のAspがAsnに置換されていることが判明した。これらKarasurin A,Bはイオン交換クロマトグラフィー及び等電点電気泳動においてのみ挙動の違いが認められ堕胎作用、抗腫瘍活性とも同一の活性を示すこと、塩基性アミノ酸を含め構成アミノ酸の含量に相違が認められないことより229番目のアミノ酸の違いのみでタンパク質多型が生じたものと結論した。Karasurin Aの構造-活性相関検討の一環として種々の化学的、酵素的分解を行い、得られたペプチド断片BS-3にBewo及びB16細胞に対する増殖阻害効果を認めた。低分子塩基性タンパクRT-4、高分子酸性タンパクRT-1、RT-2の分離精製を行い現在構造について検討中である。 均質なタンパクをより効率よく、また生理活性の強いタンパクをより多量に得ることを目的としてキカラスウリの組織培養、更には毛状根培養について検討を加えた。ムラシゲ-スクーグ培地で良好に成育し、ホルモン添加により容易にカルス化した。培養により得られた不定根中には天然の塊根に含まれるタンパクと類似したタンパクの存在が認められたが大量培養の困難さがある為、土壌細菌Agrobacterium rhizogenesの感染により誘導される不定根について更に検討を加え多くのタンパクバンドを得たが天然に存在するKarasurin Aはイムノブロッテイング法にて見出すことはできなかった。

URL: 

公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi