研究概要 |
わが国で採集したハリブキ(Oplopanax japonicus NAKAI)の乾燥葉をメタノ-ルで抽出し,得られたメタノ-ルエキスを多孔質性樹脂(DIAION HPー20)カラムクロマトグラフィ-に付し水溶出画分,60%メタノ-ル溶出画分,メタノ-ル溶出画分に分画した.60%メタノ-ル溶出画分及びメタノ-ル溶出画分を更に各種クロマトグラフィ-に付し,60%メタノ-ル溶出画分から2種のフラボノイド配糖体を,メタノ-ル溶出画分から4種のトリテルペノイド配糖体を単離した.これらの化合物の各種スペクトルデ-タならびに化学反応によりKaempferol 3ーOーβーDーgalactopyranosylー(1→2)ーβーDーglucopyranoside,quercetin 3ーOーβーDーgalactopyranosylー(1→2)ーβーDーglucopyranosideと同定した.また4種のトリテルペノイド配糖体は3αーhydroxylupー20(29)ーenー23,28ーdioic acid,3βーhydroxylupー20(29)ーenー23,28ーdioic acid,3α,23ーdihydroxylupー20(29)ーenー28ーoic acid,3β,23ーdihydroxylupー20(29)ーenー28ーoic acidをアグリコンとする28ーοーαーLーrhamnopyranosyー(1→4)ーβーDーglucopyranosyー(1→6)ーβーDーglucopyranosideと決定された. さらに中国長白山にて採集した刺人参(Oplopanax elatus NAKAI)の乾燥葉も同様な分離操作を行い,上記した2種のフラボノイド配糖体と3αーhydroxylupー20(29)ーenー23,28ーdioic acid 28ーoーαーLーrhamnopyranosyー(1→4)ーβーDーglucopyranosyー(1→6)ーβーDーglucopyranoside,gypsogenin 28ーOーαーLーrhamnopyranosyー(1→4)ーβーDーglucopyranosyー(1→6)ーβーDーglucopyranosideを単離し,その構造を決定した. 上記以外の両植物葉に含有される成分ならびに葉以外の部位に含有される成分については引き続き検討を進めている.
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