研究課題/領域番号 |
03671018
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研究機関 | 明治薬科大学 |
研究代表者 |
久保 陽徳 明治薬科大学, 薬化学教室, 教授 (60097201)
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研究分担者 |
齋藤 直樹 明治薬科大学, 薬化学教室, 助手 (80142545)
中原 伸輔 明治薬科大学, 薬化学教室, 講師 (60180337)
北原 嘉泰 明治薬科大学, 薬化学教室, 助教授 (70114460)
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キーワード | イミノキノリンキノン / アザジエン / DielsーAlder反応 / 全合成 / ナフトキノン / キノリノン / AMV阻害活性 / 海洋天然物 |
研究概要 |
ここ数年,海洋生物から含窒素芳香族天然物が単離され培養腫瘍細胞に強い細胞毒性を示すことが明かとなった。本研究ではこれら天然物がいずれも分子内にイミノキノリンキノン部分構造を有することに着目し,一見なんら共通性のない新規縮環複素環天然物の共通合成経路を開発することを目的とした。まず、アザジエン1とキノリンキノン2からアンヒメジンを合成した。この際にジエンの安定性とDielsーAlder反応の位置選択性が問題となった。そこでBracherらが報告した安定ジエン2を用いたDielsーAlder反応に注目し、4とナフトキノン5から最近オ-ストラリアで単離されたユ-ポマジン類(植物アルカロイド)の全合成を行った。本法を基盤としてメリジンやクアノイアミンAの全合成を現在検討している。また、キノリンキノン2の合成経路をドイツで単離されたアルカロイド3の合成に応用した。次に高度に官能基化されたアニリン6からキノリノン7へ変換することができた。現在5からノルセゴン(シストダイチン類の合成前駆体である)への変換を検討している。なお、最近小林は新たにシストダイチンDーGを報告した。そこで我々が開発したキノンのαーメチレン炭素への二酸化セレンによる酸素官能基の導入法を用いてシストダイチンの変換を検討する予定である。さらに本研究の過程で得られた各種キノリンキノンの生物活性をAvian Myeloblastosis Virus(AMV)阻害活性を指標として検定した。本研究で得られた多くの知見はこれら天然物の化学的な研究の遂行に多大な貢献をなすものと考えている。
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