研究概要 |
1.5-カルボキシスペルミン(5-CS)のポリアミン機能研究への応用5-CSのカルボキシル基に種々の機能分子を導入した化合物のスペルミン構造部分がどの程度スペルミンに類似しているかを、DNA-エチジウムブロミド複合体形成阻害の系を用いて検討した結果,その性質はスペルミジンに類似していた.従って,5-CSより6-CSの方が有望と思われた. 2.HTC細胞におけるポリアミン代謝の調節(1)新規アミノプロピルトランスフェラーゼ阻害剤の効果--スペルミジン合成酵素阻害剤trans-4-methylcyclohexylamineの投与で細胞内スペルミジンを対照の2%以下にできたが,スペルミン濃度及び増殖には影響がなかった。また,スペルミン合成酵素阻害剤N-(3-aminopropyl)cyclohexylamineの投与で細胞内スペルミンを1%以下にできたが,増殖には影響がなかった.(2)スペルミジンアナログのポリアミン欠乏細胞に対する効果--AOAP処理によりポリアミン欠乏状態にして増殖停止した細胞に,アナログを投与して増殖状態を見ると,多くの場合一時的に増殖を開始しやがて停止する傾向を示した.その停止の理由を究明した結果,増殖には微量のスペルミジンが必須であるとの結論に達した.(3)ポリアミンの特異的作用点の探索--微量スペルミジンの役割としてハイプシン合成との関連性が考えられ,アナログ投与後のハイプシン量の変化を調べたところ,増殖の停止とハイプシン量の減少にはよい相関があった.(4)スペルミジン過剰蓄積による細胞死--AOAP処理増殖停止細胞ヘスペルミジンを投与した際にみられる一時的な増殖の遅れの理由を究明したところ,スペルミジンの過剰蓄積が原因であることがわかった. 3.スペルミジン合成酵素のスルフヒドリル基 4.メチル-^<14>C標識脱炭酸化S-アデノシルメチオニンの化学合成とジアステレオマ-の分離
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