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1991 年度 実績報告書

大環状シクロデキストリンの調製とその医薬品への応用

研究課題

研究課題/領域番号 03671036
研究機関星薬科大学

研究代表者

上田 晴久  星薬科大学, 薬品物理化学教室, 助教授 (20061301)

キーワードCyclodextrin / δーcyclodextrin / εーcyclodextrin / HPLC
研究概要

既存のαー、βー、γーシクロデキストリン(CD)では、その空洞径の大きさより包接対象が限定され応用範囲が狭い。医薬品の製剤化において、空洞径の大きい大環状CDの有用性が考えられるが大環状CDの天然での存在比は低く、その物性についての研究は充分になされていない。そこで、9グルコ-ス環以上の大環状CD(δー〜θーCD)の調製を行い、特にδーCDの結晶化を目的に検討を行った。市販のCD粉飴(デキシパ-ルKー50、塩水港製糖K.K)にβーアミラ-ゼとプルナナ-ゼを加え、更に酵母を添加して、30℃で3日間インキュベ-トした。反応終了後、不溶物を遠心除去、上澄にブロムベンゼン(BrBz)を加え攪拌してβとγーCDを、次にテトラクロルエタン(TCE)を加え攪拌しαーCDを沈殿形成させて遠心除去した。上澄を濃縮した後エタノ-ルを加えて未分解のデキストリンを沈殿除去、更にBrBzとTCEを同時に添加して、少量残存するαー〜γーCDを除去した。上澄を濃縮し、脱イオン、脱色した後グルコアミラ-ゼを加えて残存するデキストランなどを可及的に水解した。熱失活、不溶物を遠心除去後、アセトンを加えて大環状CDの混合物(δー〜θーCDを含むと考えられる)を沈殿分取した。最初のCD粉飴640グラムより、平均約9グラムの混合物が得られた。収率は約1.4%であった。この混合物からHPLCを用いてδーCDを純度95%以上で分取することができた。混合物1グラムより約150ミリグラムが得られた。出発原料から考えると収率は約0.2%であった。分取したδーCDの同定はFABーMASSスペクトルの測定を行い、理論値と一致する分子量1459が得られた。HPLCの分取条件は今後改善の余地があるが、δーCDの物性研究に必要なグラム単位の調製法を確立できた。92年度中に物性研究を含め論文として発表予定である。εーCD以上のCD類の分取条件も引き続き検討している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Haruhisa Ueda et.al.: "δーcyclodextrin and its Solubilization Ability for Poorly WaterーSoluble Drugs"

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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