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1992 年度 実績報告書

非線形初回通過代謝の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 03671043
研究機関千葉大学

研究代表者

鈴木 徳治  千葉大学, 薬学部, 教授 (40010219)

研究分担者 桝渕 泰宏  千葉大学, 薬学部, 助手 (10209455)
成松 鎮雄  千葉大学, 薬学部, 助教授 (20113037)
キーワード非線形初回通過代謝 / プロプラノロール / ブニトロロール / デブリソキン / リドカイン / P450BTL / 遺伝的多型 / スダンIII
研究概要

非線形初回通過代謝の機構を酵素分子レベルならびに摘出臓器レベルで検討し、今年度は新たに以下の知見を得た。1)代謝活性の遺伝的多様性と関連した高親和性P450分子種の解明:前年度に精製した低基質濃度で高い活性を持つ高親和性P450分子種(P450BTL)は、ブニトロロールやデブリソキンの4位水酸化反応だけでなく、リドカイン3位水酸化、プロプラノロール(PL)環水酸化反応に関与することが、同酵素に対する抗体を用いた代謝阻害実験から示された。同抗体による阻害効果は、低基質(PL)濃度において顕著であったことから、P450BTLもしくはこれと免疫学的に類似したP450分子種がPL代謝における高親和性酵素であることが明らかになった。2)酵素誘導による薬物代謝酵素活性の変動とその酵素反応速度論的解析:多環芳香族化合物と類似したP450誘導剤、スダンIIIの前処置及び無処置ラットの肝ミクロゾームを用いてPLの酸化的代謝反応のKineticsを検討したところ、スダンIII前処理により、PL4、5位水酸化、N-脱イソプロピル化に関与する低親和性酵素の誘導が示された。3)ラット肝潅流法を用いたPL代謝の非線形性の解析:スダンIII前処置および無処置ラットを用いてPLの肝潅流実験を行ったところ、両群とも、肝流出液中PL濃度は流入PL濃度に対して非線形な増加を示した。また、流入PL濃度が高い場合、スダンIII前処理により肝流出液中PL濃度が低下し、非線形性が弱まる結果となった。2)で得られたミクロゾームにおける代謝Kineticパラメータを用いて、潅流肝における代謝速度をシミュレーションしたところ、両群とも、予測値は実測値と良く近似していた。これらの結果から、PLの初回通過代謝の非線形性は、ナフタレン環水酸化反応における高親和性酵素の飽和によることが示された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Ryozo Ishida: "Induction of propranolol metabolism by the azo dye sudan 3 in rats" Biochemical Pharmacology. 43. 2489-2492 (1992)

  • [文献書誌] Ryozo Ishida: "Enzymatic basis for the nonlinearity of hepatic elimination of propranolol in the isolated perfused rat liver" Biochemical Pharmacology. 44. 2281-2288 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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